ここ最近、ChatGPTとGeminiを同時に使う機会が増えてきました。
とくに、YouTube関連の記事を書く前に両方へ質問したり、
記事チェックをお願いしたりしているうちに、
「なんだか反応の方向が全然違うな…」と感じる場面が増えてきました。
どちらのAIもとても優秀で、
正確さや賢さに“差がある”という印象はありません。
ただ、実際に同じ質問をしてみると、
- どこに目を向けるのか
- どこまで踏み込んでくれるのか
- ニュアンスの扱い方
- 反応のスピードや方向性
このあたりに、それぞれの“性格のような違い”が見えてきます。
この記事では、私自身がしばらく両方を使い続けて感じた、
ChatGPTとGeminiの反応の違い・向き不向き・挙動の傾向を、
できるだけ中立的にまとめています。
なお、私はChatGPTを長く使っており、
Geminiはまだ使い始めて間もないという前提があります。
そのため、以下は“内部仕様の話”ではなく、
2025年現在の「実際に触ってみたときの印象」として読んでいただければと思います。
どちらかを評価したり優劣をつけるという意図はありません。
むしろ、2つのAIの違いがわかるほど、
用途に合わせて上手に使い分けやすくなると感じています。
メモリ(記憶)に関する挙動の違い
AIを使っているとき、私が最初に気づいた違いは、
“どれくらい私のクセや考え方を踏まえて返してくれるか” という部分でした。
ここでは便宜的に「記憶」と書きますが、
いわゆる「前回の会話を覚えているかどうか」という意味ではありません。
どちらかというと、
“日々のやり取りの中で、どんな風に応答が調整されていくのか”
というニュアンスに近い話です。
■ ChatGPT
<長く使っている安心感がそのまま反応に表れる>
私はChatGPTを2年以上使っていますが、
文章の相談をしているうちに自然と
「自分が気にしているポイント」を拾ってくれるようになってきました。
たとえば、
- 逆接を多用しない
- 体言止めを続けない
- 読者にやさしい言い回しにしたい
- 公平性を保ちたい
- SEOの流れを意識したい
といった細かいこだわりは、過去に何度か会話しただけなのですが、
校正や文章調整をお願いすると、
そのへんを自然と踏まえて返してくれる場面が多いです。
また、ブログでSWELLを使っていることや、
関連記事3本の構造、HTMLの癖なども、
長いやり取りの中で“なんとなく共有されている”感じがあります。
これは「覚えている」というより
“こちらの依頼パターンに合わせて反応が調整されている”
ように感じています。
■ Gemini
<入力された内容への反応が中心で、クセの引き継ぎは控えめ>
一方で、Geminiを使ってみた印象は
「そのときの質問にしっかり向き合う」 という性格に近いものでした。
質問した内容に対しては丁寧で、
手順や操作方法の説明もわかりやすいのですが、
ChatGPTのように「文体のクセ」や「普段のこだわり」が
次の会話に引き継がれる感じは、あまりしません。
たとえば私が校正のときに重視している
- 表現の公平さ
- “言い切りすぎ”のリスク
- 読者の受け取りやすさ
- SEO的な自然さ
といった部分は、毎回あらためて説明した方が
理解してもらいやすい印象があります。
これはGeminiが苦手という意味ではなく、
“その場の入力に忠実に応答する”という設計の向き
なのだろうと感じています。
■ どちらが正しい、ではなく“向き”の違い
今回の比較で感じたのは、
ChatGPTは「長期的な会話の積み重ねの中で調整されていくAI」。
Geminiは「そのときの質問に対して最適な答えを返すAI」。
そんな印象の違いです。
また、私自身がChatGPTに慣れているという前提も大きく、
その差が余計に“違い”として見えた部分もあると思います。
Geminiにも最近は、会話の履歴をもとにパーソナライズが働く機能が加わりつつあるようです。
ただ、私自身はまだ使い始めて日が浅いこともあり、
「文体のクセが積み上がって反映されてくる」というより、
その都度の質問にしっかり向き合ってくれる印象の方が強く残りました。
こうした受け取り方には、単純に私の利用歴の差も影響しているのだと思います。
いずれにしても、
“記憶している・していない”という話ではなく、
AIごとに反応の向いている方向が違う
ということを、今回あらためて感じました。
同じタスクでも“見ているところ”がこんなに違う
今回の比較で、いちばん分かりやすく違いが出たのが、
記事のチェックをお願いしたときの“観点の差” でした。
まったく同じ文章を提示しているのに、
返ってくる答えの方向性が驚くほど違います。
■ ChatGPT
<表面的な正確さだけでなく、“伝わり方”まで見てくれる>
ChatGPTに文章チェックをお願いすると、
事実の整合性よりも“読者の受け取り方”に目が向く印象があります。
たとえば、Geminiで使えるYouTube関連の機能を紹介する記事を書いたとき、
その原稿をChatGPTに確認してもらうと、
- この言い切り方だと、少し強く聞こえるかもしれない
- もう少し公平な書き方にすると安心感が出る
- 読者が勘違いしそうな部分には、ひと言補足があるとよい
- 文章の流れや見出しの順番が自然かどうか
- タイトルと本文のトーンが揃っているか
といった指摘が返ってきました。
どこか一文だけを直すというより、
「この記事を初めて読む人がどう感じるか」
という視点で、全体を一緒に眺めてくれている感覚に近いです。
これは、ChatGPTが特別に何かを“覚えている”というより、
日頃のやり取りの中で、
私がどんなところを気にしているかを
ある程度推測してくれているのだろうと感じています。
■ Gemini
<内容の正確さや整合性を中心にチェックするタイプ>
一方で、同じ記事をGeminiに見てもらったときには、
返ってきたのはまた別の角度からのコメントでした。
- 動画の内容と説明がきちんと対応しているか
- 説明の順番が論理的かどうか
- 情報に誤りや大きな抜けがないか
といった、「内容として筋が通っているか」 を重視したチェックが中心でした。
文章の“印象”や“言い方の強さ”よりも、
「書かれていることが正しいか」「構造として破綻していないか」
を丁寧に見てくれている印象です。
これはこれで非常に役立つ観点で、
とくに事実関係の確認や、説明の抜け漏れチェックには向いていると感じました。
■ いちばん違うのは「視点の置き場所」
簡単にまとめると、
- ChatGPT → “読者がどう感じるか”を一緒に考えてくれる
- Gemini → 内容が正確で、説明として成立しているかを見る
という方向性の差があります。
どちらも優秀ですが、
同じ「記事チェック」でも、人間でいうと
“編集者”と“校閲者”くらいの役割の違い
があるように感じました。
今回の比較でその差がはっきり見えたのは、
たまたまテーマが「AIツールの紹介記事」で、
両方にとって“得意な分野”だったからかもしれません。
ChatGPTは、文脈を踏まえて調整するのが得意。
Geminiは、その場の情報を分析して整理するのが得意。
そこに「私がChatGPTを長く使っている」という条件も加わって、
より違いが際立って見えたのだと思います。
曖昧なプロンプトを投げたときの“反応の違い”
実際に使っていて、もうひとつ大きな違いを感じたのが
曖昧な依頼をしたときの反応 です。
いつもきっちりした依頼文を書くわけではなく、
「これってどう思う?」
「ちょっと気になるところを見てほしい」
といった、ふんわりした投げ方になってしまうこと、ありますよね。
この“ゆるめのプロンプト”への対応が、
ChatGPTとGeminiではかなり違うと感じました。
■ ChatGPT
<こちらの意図を「予測しながら補ってくれる」タイプ>
ChatGPTに曖昧な依頼をしても、
いい意味で“察してくれる”場面が多いです。
たとえば、
- 「どこか違和感ある?」と聞けば、言い回しの強さや流れを整えてくれる
- 「この部分大丈夫?」と投げると、読者が誤解しやすいポイントを探してくれる
- “なんとなくの方向性”で伝えても、まとめ方の提案までしてくれる
といった具合で、
こちらの意図をくみ取って、ひとつ先のところまで考えて返してくれる
印象があります。
これは、日頃 ChatGPT に多岐にわたる作業を頼んでいる影響もあり、
「たぶんこういうことを求めているだろう」という
“文脈の推測”が働きやすいのだと思います。
■ Gemini
<入力された内容に“そのまま丁寧に答えてくれる”タイプ>
一方でGeminiは、
曖昧なプロンプトに対しても非常に誠実ですが、
ChatGPTのように“意図を先回りして補う”よりは、
「質問された範囲の中で、正確に答えようとする」
という姿勢が強いと感じました。
たとえば、
- 曖昧な依頼だと、そのまま解釈して最短ルートで答える
- 背景や目的の補足は控えめ
- 余計な推測をしないぶん、シンプルにまとまる
という特徴があります。
これは、Geminiが「余計な解釈を足さず、質問に沿って返す」
という方向性の設計だからだと思います。
■ どちらが良い・悪いではなく、性格の違い
曖昧なプロンプトへの反応を一言で整理すると、
- ChatGPT → “意図を読み取りつつ、ひと手間足してくれる”
- Gemini → “聞かれたことに素直に答えてくれる”
そんなイメージです。
ChatGPTは“寄り添い型”、
Geminiは“誠実なストレート型”。
どちらも魅力ですが、
想像していた深さや方向に行ってほしい場合は
ChatGPTの方が合うことがあり、
逆に、必要以上に解釈されたくない場合は
Geminiの方が向いていると感じます。
手順や方法を質問したときの“表現の寄り方”の違い
YouTube関連の記事を書くとき、
Geminiに「どうやって動画を要約するのか」という
“手順そのもの”を質問した場面がありました。
そのときの回答はとても分かりやすかったのですが、
説明の“寄り方”にちょっとした特徴 を感じました。
■ Gemini
<メリットや便利さを“はっきり言葉にする”ことが多い>
Geminiに手順を聞くと、
- 機能の良いところを前向きに伝える
- できることをはっきり示す
- 強みを分かりやすく描写する
という“前向きなトーン”が入ることがあります。
たとえば、
- 「Geminiなら○○が簡単にできます」
- 「この方法は効率的でおすすめです」
といった表現が出てきやすく、
それが説明全体の雰囲気にも少し含まれる感じです。
これは機能を説明するときに自然な表現ではあるのですが、
“サービス紹介寄りの語り”に見える瞬間もあるため、
私はブログに少し抑えめの表現に均してから使うことが多いです。
■ ChatGPT
<手順説明でも、どちらかというと“中立寄り”>
一方でChatGPTは、
機能説明のときでも
- 「〜といった使い方が可能です」
- 「〜と説明されています」
といった控えめな言い回しが多く、
メリットを強く押し出すような表現は比較的少ない印象があります。
説明そのものは分かりやすいのですが、
良いところも“さらっと”書くことが多いので、
印象としてはニュートラルです。
■ 同じ機能説明でも、語り口が少し違う
簡単にまとめると、
- Gemini → 特徴や便利さを明るく伝えるタイプ
- ChatGPT → 情報を丁寧に整理して伝えるタイプ
というイメージです。
どちらが正しいという話ではなく、
伝え方の“癖”がほんの少し違うだけ。
ただ、この違いが、
手順説明や操作ガイドを書くときに
文章の雰囲気として分かりやすく出るなと感じました。
Geminiは結論がはっきりしていて、
サッと理解したいときに向いていて、
ChatGPTはニュアンスを整えてほしいときに向いている——
そんな使い分けが自然とできるようになってきました。
2つのAIの“設計の向き”と、どう使い分けると心地よいか
ここまで、ChatGPTとGeminiの違いを
いくつかの視点で比べてきました。
どちらもとても優秀なのですが、
実際に使ってみると “反応の向き” が少し違うため、
同じ質問をしても雰囲気の異なる答えが返ってきます。
その違いが分かってくると、
「どちらを使うか」よりも
“どの場面で使うと快適か” の方が大事に感じてきました。
■ ChatGPTは「調整や整える作業」が得意
ChatGPTは、文章の調整や
ニュアンスを丸くする作業が得意な印象があります。
- 文章の流れを整える
- 読者への配慮を入れる
- 表現の強さを調整する
- 構成を自然に整える
- 伝わりやすさを一緒に考える
こうした“編集に近い作業”に強さを感じます。
とくに、曖昧なプロンプトでも
「たぶんこういう意図だろう」と補いながら
目的に寄せてくれるため、
相談ベースで進めたい場面に向いています。
■ Geminiは「要点整理や手順説明」が得意
Geminiは、質問に対して
必要な情報をコンパクトに返すのがとても上手です。
- 手順をまとめる
- 情報を分類する
- 要点だけ知りたいときに答える
- 操作ガイドや概要説明をまとめる
といった“スピード感のある作業”に向いています。
曖昧なところを推測して補うというより、
入力内容に沿ってまっすぐ答えるタイプなので、
目的のはっきりした質問ほど力を発揮しやすいと感じました。
■ “どちらが優れているか”ではなく、“どこに向いているか”
実際に併用してみて思ったのは、
それぞれに得意な方向があって、
どちらのAIにも役割があるということでした。
- ChatGPT → 文章を整えたいとき、読者目線で確認したいとき
- Gemini → 早く結論を知りたいとき、手順や方法を整理したいとき
こんなイメージです。
両方を使うと、むしろ
“お互いの弱点を補い合う”ように働くため、
記事を書くときの情報収集や確認が
とてもスムーズになりました。
■ 最後に:違いが分かるほど、使いやすくなる
今回いろいろ比べてみて、
改めて感じたのは次の2つです。
- AIは基本的には同じではなく、挙動に個性がある
- その違いを知っておくと、ストレスが減る
どちらか一方を選ぶ必要はなく、
状況に合わせて自然に使い分けるだけで
作業がしやすく、情報の整理も速くなります。
これからも両方を併用しつつ、
それぞれの“向き”を生かしていこうと思っています。
まとめ|2つのAIを並行して使ってみて分かったこと
ChatGPTとGeminiをしばらく併用してきて、
「どちらが優れているか」というよりも、
“見ている場所”や“反応の仕方”がこんなに違うんだ
ということに気づきました。
同じ質問でも、寄ってくる方向が違うので、
返ってくる答えの雰囲気が自然と変わります。
ChatGPTは、文章の流れや伝わり方まで含めて、
全体を一緒に整えてくれるタイプ。
こちらの“気にしがちなところ”を
ふわっと拾ってくれるので、
校正や内容の微調整をしたいときにとても頼りになります。
一方でGeminiは、
聞いたことに対して素直にまっすぐ答えてくれる印象で、
手順や方法の説明、要点の整理など
スピード感のほしい作業に向いています。
どちらかが正解というわけでもなく、
役割や得意分野が少しずつ違うだけなんだと思います。
今回あらためて感じたのは、
“違いを知って使い分ける”だけで、作業がとても楽になる
ということでした。
AIをどう使うかに悩むよりも、
場面ごとにあっている方を選ぶほうが、
ずっとシンプルで、失敗も少なくなります。
これからも、
ChatGPTとGeminiの良さをどちらも生かしながら、
状況に合わせて自然に使い分けていきたいと思います。
📚 もっと深く知りたい方へ。関連テーマの記事もあわせてどうぞ。
※セミナー後には、最新技術に対応した講座や交流の機会も用意されています。
📚 他のまとめページもチェックしてみませんか?


