AIツールを使った資料作成は、この1〜2年で大きく様変わりしました。
これまでは「ChatGPTで文章を作り、PowerPointやGoogleスライドにコピペする」という使い方が中心でしたが、2025年、Googleの生成AI「Gemini」に スライドを丸ごと自動生成する機能 が加わりました。
テーマを入力するだけで、構成・本文・比較表・図解・まとめまで含めたプレゼン資料が数分で完成します。完成したスライドはそのままGoogleスライドにエクスポートでき、右サイドバーのGeminiに話しかけるだけで内容の追加や書き換えも行えます。
今回は、実際にGeminiへ
と依頼し、生成されたスライドをGoogleスライド上で編集してみました。
- どんな手順でスライドができあがるのか
- 自動生成された内容は、そのまま実務で使えるレベルなのか
- Googleスライドとの連携はどこまで快適なのか
- ChatGPTと比べて、どう使い分けると良いのか
このあたりを、画面キャプチャと実体験ベースでレビューします。
なお、筆者のアカウントは Gemini / Workspace Labs に登録済みです。現時点ではアカウントやプランによって提供状況が異なるようで、ご自身の環境では本記事と同じ画面にならない場合もあります。
Geminiの「スライド自動生成」最新機能とは?
Geminiは、Googleが提供する生成AIサービスです。
もともとGmailの返信文提案や、Googleドキュメントでの文章作成サポートなどに対応していましたが、2025年のアップデートで、プレゼン資料を一括で作る機能 が追加されました。
ここでのポイントは、次の3つです。
- AIが スライド形式を前提に コンテンツを生成する
- 完成した資料を、そのまま Googleスライドとして開ける
- さらにGoogleスライド内の 右サイドバーからGeminiに追加指示が出せる
従来の「AIで文章を考えてから、スライドは自分で作る」という流れとは発想が逆です。
あくまで最初から「スライド」という完成形をゴールにしてくれるので、ユーザーは構成やデザインに悩む時間をほとんど使わずに済みます。
Geminiのスライド自動生成では、今回の検証では次のような要素をまとめて作成してくれました。
- タイトルスライド
- 導入・背景説明
- 比較や整理に向いたスライド構成
- 箇条書きや短めの説明文
- 比較表・棒グラフ風の図解
- まとめ・Q&Aスライド
- 全体のテーマカラーとレイアウトの統一
今回生成されたプレゼンも、全11枚 で構成が整っており、PDFとして見てもひと通りのプレゼン資料として成立していました。
この時点で、風通しの良い「たたき台」が一瞬で出来上がるイメージです。
▶ 実際のスライド全体を見てみたい方はこちら
Geminiで実際にスライドを作ってみた|生成〜エクスポートまでの手順
ここからは、実際にスライドを作ったときの手順を紹介します。
使ってみると、操作の流れ自体はとてもシンプルでした。
Step1:Geminiアプリにテーマを投げる
まずはブラウザでGeminiアプリを開き、チャット欄に次のように入力しました。
「スライドにして」と明示するだけで、Geminiは「これはプレゼン資料だ」と理解してくれます。
数秒後、画面右側にスライドのプレビュー、左側に進捗のテキストが表示され、
「タイトルを作成中 → 構成を生成中 → スライドを整えています」といった流れが見て取れました。
Step2:約3分で11枚のプレゼンが完成
待ち時間はおよそ3分ほど。
進行状況の表示が終わると、右側のプレビューにはすでに11枚のスライドが並び、タイトルや見出し、本文、図解が埋まった状態で表示されました。
この時点で、Geminiは
- スライドの枚数
- 1枚ごとの役割(タイトル・比較・まとめなど)
- 各スライドの見出しと本文
- 図表やグラフィックの配置
まで自動で決めてくれています。
生成が完了すると、画面上部に「スライドにエクスポート」というボタンが現れます。

Step3:ワンクリックでGoogleスライドにエクスポート
「スライドにエクスポート」をクリックすると、新しいタブでGoogleスライドが開き、先ほどGeminiが生成したプレゼンがそのまま表示されました。
- 左側:スライドの一覧サムネイル
- 真ん中:編集中のスライド
- 右側:Geminiアシスタントのパネル
という三分割レイアウトになり、ここからは完全に「いつものGoogleスライド」です。
テーマ変更・フォント調整・画像差し替えといった通常の操作も、そのまま行えます。
ここに加えて、右サイドバーに表示されたGeminiが、スライドの内容編集に付き合ってくれる ところが新しいポイントです。
Step4:右サイドバーで内容を“AIに肉付けしてもらう”
エクスポート後の画面で、私はまずスライド3の説明をもう少し詳しくしたいと感じました。
そこで右サイドバーのGeminiに、
と入力します。
数秒で、スライド3の内容を踏まえた詳しめの解説文が生成されました。
Geminiの回答欄には「挿入」というボタンが表示されており、それを押すと、生成された文章がそのままスライドに追加されます。


この流れで、説明不足に感じたスライドを必要なだけ膨らませることができます。
別タブでAIを開いてコピペする必要がないので、「考えること」と「整えること」に集中できる 感覚がありました。
サイドバーが見当たらないときは、画面右上の[☆ Geminiに質問する]アイコンをクリックすると再表示できました。私の環境(Gemini / Workspace Labs 登録済み)ではこの方法で呼び出せましたが、アカウントや提供状況によっては、このアイコン自体が表示されないこともあります。
生成されたスライドの中身をざっくりレビュー
次に、Geminiが自動生成した11枚のスライドの内容をざっくり紹介します。
細部まで確認すると、AIがどのように情報を整理し、どう見せようとしているのかがよくわかります。
タイトル〜導入部分
1枚目はタイトルスライドで、
「Gemini vs ChatGPT」
「AIモデルの比較」
といった内容のテキストが配置されていました。背景は黒基調で、AIらしい抽象的なビジュアルがあしらわれています。
2枚目以降では、両者の概要を簡潔に紹介するスライドが続きます。
- Gemini:Googleが提供する生成AIで、検索やGoogle Workspaceとの統合が特徴
- ChatGPT:OpenAIのチャット型AIで、自然な対話と文章生成に強み
というような整理が行われていました。
比較スライドの構成
中盤のスライドでは、GeminiとChatGPTの特徴を比較するスライドが複数用意されていました。
- コンテキストウィンドウ(扱えるトークン量)の違い
- Google Workspaceとの連携度
- マルチモーダル(画像・音声など)の扱い
- 最新情報へのアクセス性
- 料金プランの違い
などが、それぞれ1枚ずつのスライドに割り当てられています。
資料として伝えるべきポイントをひと通り拾ってくれている印象です。
特に印象的だったのは、最新情報へのアクセス性を棒グラフ風の図で表現したスライドと、料金プランを表形式で整理したスライドでした。
数値自体はイメージベースですが、「視覚的に違いを見せる」というプレゼンの基本が押さえられています。
結論・Q&Aスライド
終盤では、
- ユースケース別に「どちらがおすすめか」を整理したスライド
- 最後のQ&Aスライド
といった、プレゼンらしい締めの構成になっていました。
「GeminiはGoogleサービス中心の人に合う」
「ChatGPTは文章作成やプログラミング支援で強みがある」
といったまとめ方で、聞き手に「自分はどちらを選べばよいか」を考えてもらえるようになっています。
全体を通して、構成力はかなり高く、このまま社内勉強会で投影しても問題ないレベル と感じました。
実際に使って感じたメリット
使ってみて、Geminiのスライド生成機能にはいくつかはっきりしたメリットがありました。
① ゼロから構成を考える時間がほぼゼロになる
プレゼン資料作りで一番大変なのは、「何枚構成にするか」「どの順番で話を進めるか」といった構成を考える部分です。
Geminiにテーマを投げるだけで、
- 何枚程度が妥当か
- どんな流れで説明するか
- どのポイントを独立したスライドにするか
まで一括で決めてくれます。
「とりあえずこれをベースにして、要るところを残し、要らないものを削る」というスタートを切れるので、心理的なハードルがかなり下がります。
② Googleスライド内だけでAI編集が完結する
右サイドバーからGeminiに追加指示を出し、そのまま「挿入」で反映できる体験は、想像以上に快適でした。
- 説明を厚くしたいとき
- 文章をやさしくしたいとき
- 具体例を1つ足したいとき
といった細かい修正を、スライド画面から離れずに済ませられます。
AIを別タブで開き直し、コピー&ペーストするという作業が完全になくなります。
③ デザインが最初からそれなりに整っている
生成されたスライドは、黒背景の統一されたテーマで作られていました。
見出しのサイズ感や余白の取り方、箇条書きの行間などが自然で、全体に「整っている印象」があります。
自分で1からデザインを詰めていく必要はなく、気になる部分だけ個別に直せばよいので、スライド作りが得意でない人ほど助かります。
④ 棒グラフや比較表も、自動で入れてくれる
文字だけでなく、棒グラフ風の図や料金比較表を自動で入れてくれる点も便利でした。
実際の数値は自分で確認した方が安心ですが、「見せ方」のひな形が最初からあるので、そのまま書き換えるだけで見栄えの良い資料になります。
⑤ 作業時間が圧倒的に短縮される
今回の例では、生成自体は約3分、その後の微調整も含めて30分もあれば十分なレベルまで仕上げられます。
ゼロからPowerPointやGoogleスライドを作っていたころと比べると、作業時間が少なくとも半分以下になりそうです。
「資料作りが面倒で後回しになりがち」というタイプほど、効果を実感しやすいと感じました。
使ってみて気になった点・注意したいポイント
一方で、使っていくうちに「ここは少し気をつけたい」と感じたポイントもありました。
① デザインテーマはまだ自由に選べない
生成されるスライドのデザインテーマは、現状かなり限定的です。
黒背景ベースが多く、細かい配色やテンプレートの選択まではAI側でコントロールできません。
白ベースで落ち着いた資料にしたい場合や、ブランドカラーに合わせたい場合は、エクスポート後にGoogleスライド側でテーマを変更する必要があります。
② 図表や数値の根拠は、自分で検証した方が安心
最新情報へのアクセス性を示す棒グラフや、料金比較のスライドなどはぱっと見わかりやすいものの、数値の根拠までは追えません。
イメージの図としてはとても便利ですが、外部に出す資料であれば、
- 価格
- 提供プラン
- 利用可能な機能
などは、公式情報で自分の目でもう一度確認しておくと安心です。
③ 文章はやや固く、自然さには人の手が欲しくなる
生成された本文は整理されていて読みやすいものの、人が書いた文章と比べると少し固い印象があります。
- 同じような言い回しが続く
- 抽象的な表現が多い
- 具体例が少ない
と感じる箇所もあるので、最終的なニュアンス調整は、自分で直すか、ChatGPTに自然な日本語へ書き換えてもらうと安心です。
④ 深い専門性が必要な資料には、そのままでは物足りない
「GeminiとChatGPTの違い」のような概念比較は得意ですが、業界特化の高度な内容や、専門家向けのカンファレンス資料になると、深掘りが足りない場面も出てきます。
このあたりは、後述するChatGPTとの併用で補うとバランスが良くなります。
ChatGPTとGeminiをどう使い分けるか
ここまでの検証で、
Geminiは“形にするAI”、ChatGPTは“中身を深めるAI” という印象を持ちました。
Geminiが向いている場面
- プレゼン資料の構成をとにかく早く作りたいとき
- Googleスライドでそのまま編集したいとき
- GoogleドキュメントやGmailなど、Workspaceと横断的に連携したいとき
- 社内勉強会やサービス紹介など、概念整理が中心の資料を作るとき
特に「社内用の説明資料」「比較表付きの紹介スライド」などは、Geminiだけでかなりの部分まで仕上がります。
ChatGPTが向いている場面
- 文章そのものを読みやすく、自然な日本語に仕上げたいとき
- 業界特有の事例や技術情報を深く掘り下げたいとき
- ストーリー仕立ての導入や、印象に残る言い回しを入れたいとき
- メールやブログ記事、マニュアルなど、文章で読ませるコンテンツを作るとき
スライド本文をChatGPTに渡して、「より自然に」「高校生にも伝わるように」「専門家向けに深く」といった指示を出すと、Geminiとは違う魅力が出てきます。
現実的なベストパターン
実務で一番現実的だと感じた使い方は次の流れです。
- Geminiにスライドを作らせる
テーマと枚数だけ指定して、たたき台のプレゼン資料を数分で用意してもらう。 - 必要に応じてChatGPTで本文をブラッシュアップ
スライド本文をコピーし、ChatGPTに自然な日本語や専門性の補強を依頼する。 - Googleスライドで最終調整しながら、細かい追加説明はGeminiに書かせる
右サイドバーのGeminiに短い指示を出し、説明の追記や例の追加を行う。 - デザインはGoogleスライド側で整える
テーマ変更やフォント調整、画像差し替えなどを行い、ブランドや用途に合わせて仕上げる。
この流れを一度体験すると、「AIなしでスライドを1から作る」という選択肢には戻りにくくなるはずです。
まとめ|Geminiのスライド自動生成は、資料作りの“新しいスタートライン”
Geminiのスライド自動生成機能は、プレゼン資料作りの常識をかなり大きく変える存在です。
- テーマを伝えるだけで、数分で10枚前後のプレゼン資料が完成する
- Googleスライドにワンクリックでエクスポートできる
- 右サイドバーのGeminiに話しかけるだけで、説明の追加や書き換えができる
この3つが揃うことで、資料作りの0→1はほぼAIに任せられるようになりました。
一方で、デザインテーマの自由度や文章の自然さ、専門性の深さといった部分は、まだ人間や他のAIツール(ChatGPTなど)の力を借りた方が安心です。
たたき台をGeminiに、仕上げをChatGPTと自分自身に任せるイメージを持つと、双方の良さをうまく引き出せます。
資料作りが苦手な人や、スライド作成に時間を取られがちな人ほど、Geminiのスライド自動生成は大きな味方になります。
Googleスライドを日常的に使っているなら、一度試してみる価値はかなり高い機能です。
今後、テンプレートのバリエーションや図表生成の精度がさらに高まれば、「AIが資料の8割を作り、人が最後の2割を整える」という時代がぐっと近づいてきそうです。
まずはGeminiアプリを開いて、今日のプレゼンテーマをそのまま投げてみるところから試してみてください。
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