毎日、キッチンに立つ時間は「何を作ろうか」という悩みとの戦いでもありますよね。これまでは、スマホでレシピを「検索」して、その通りに作るのが一般的でした。しかし今、AIとの「対話」によって、料理の楽しみ方が劇的に変わろうとしています。
先日、私はAIを「料理の師匠」として迎え、市販のルーを使わない本格的な「水なしインドカレー」に挑戦しました。驚いたのは、AIが単に材料を教えるだけでなく、私が送った写真をその都度見て、調理の加減を指導してくれたことでした。
この記事では、AIと二人三脚で挑んだ料理体験を通じて見えてきた、「AIを専属メンター(助言者)にするための新しい料理術」を詳しくお伝えします。
この記事でわかること
- AIに「写真」で調理の状態を確認してもらう具体的なコツ
- 本格スパイスカレーを成功させるための「AIとの対話」の流れ
- 余ったひき肉やトマトソースを、絶品の一皿(即席ミートソース)に転生させるアイデア
料理本や検索サイトでは届かない、あなただけの「オーダーメイドな台所体験」を始めてみませんか?
- 料理名を伝える(例:水なしカレー/麻婆豆腐 など)
- まずAIにざっくり手順(工程の流れ)を作ってもらう(最初は全体像だけ)
- 困りごとが発生したら、状況を一言添えて写真を送り、「次の一手(火力・時間・混ぜ方)」を教えてもらう
「水なしカレーを作りたい。工程の流れを先に教えて」
写真を送るときに添えるひと言(例):
「いま玉ねぎ炒め中。焦げそう?」
「水分が多いかも」
AIは検索ツールではなく頼れる「料理の師匠」
以前、このブログではChatGPTを「シェフ」に見立ててレシピを提案してもらう方法をご紹介しました。 しかし、今のAIの進化はそれだけにとどまりません。
以前の記事との決定的な違い
これまでのAI活用は、いわば「情報の引き出し」でした。材料を入力して手順を聞くという、一方通行のやり取りが中心だったのです。また、提案されるレシピも正直、それほど美味しそうに思えるものは少ないという印象でした。
しかし現在のAIは、より深く、よりインタラクティブ(双方向的)な存在になっています。今のAIには「目(画像認識機能)」があり、私たちが「今、この瞬間の状態」を伝えることで、より具体的なアドバイスをもらえます。写真を送るたびに、その時々の状態を見て、その場に合わせた提案をしてくれる感覚です。執筆時点(2026年1月)では、テキストだけでなく、写真を添えて相談できるようになっています。
今のAIは「目」を持っている(画像相談のメリット)
今回のカレー作りで私が最も驚いたのは、AIが私の送った「炒めている途中の玉ねぎ」の写真を見て、的確な指示をくれたことです。
「飴色(あめいろ)まで炒める」という表現はよく見かけますが、初心者の目には「これでいいのかな?」と迷いが生じるものです。そこでAIに写真を送り、「これでいい?」と問いかけると、「今は透明になって水分が抜け始めた段階で、インド風(北インド系)にしたいなら もう少し“甘みとコク”を引き出すのが◎」といった、まるで横にプロが立っているかのような返信が返ってきます。
もちろん、光の加減やカメラの性能によって判断が左右される場合もありますが、自分ひとりで悩むよりも判断材料が増え、気持ちが楽に料理を進められるようになります。
【体験談】玉ねぎの炒め具合を4回確認!水なしカレー成功の舞台裏
今回の挑戦のメインディッシュは、市販のルーを使わずに作る「手羽元のインド風カレー」です。この料理の最大の難所であり、味の決め手となるのが「玉ねぎの炒め工程」でした。ここで私は、ChatGPTをまさに「師匠」として仰ぎ、二人三脚で調理を進めました。
スパイスカレーの肝は「玉ねぎ」の水分飛ばし
本格的なスパイスカレー作りにおいて、最も重要と言われるのが玉ねぎの扱いです。今回挑戦した「水なしカレー」は、追加の水を一切入れない(※トマトジュースなどの具材の水分のみで煮込む)調理法。だからこそ、玉ねぎをじっくり炒めて水分をしっかり飛ばし、旨味を凝縮させることが成功の鍵となります。
「焦げているのではないか?」「もう十分だろうか?」という不安に対し、写真を送るたびにAIが鑑定してくれました。
AIの判断を過信しすぎるのは禁物ですが、自分ひとりの感覚で迷い続けるよりも確かな判断材料が増え、心理的な安心感を持って次の工程へ進める。これこそが、AIをキッチンに招く最大のメリットだと感じました。
画像診断で発覚した「水分」と「油」の勘違い
炒め始めてしばらく経った頃、私が写真を送ると、AI師匠からは意外な指摘がありました。「写真を見る限り、まだ水分が残っています」というアドバイスです。

しかし、実際の私の手元では、玉ねぎはひたひたの状態でした。実はこの時、私は「油多めの方が美味しくなる」という事前の教えに従い、かなりの量の油を投入していたのです。AIにはその「油」が「水分」のように見えていたようでした。
「油を入れすぎたかもしれません。どうすればいいですか?」と正直に打ち明けると、AIは即座に状況を再認識し、以下のような具体的な指示をくれました。
- 「油がスパイスの運び屋になるので、多めでも大丈夫です」という肯定
- 「もし気になるなら、一度火を止めて表面の油をお玉ですくい、別皿に取っておきましょう。後で仕上げに使うと香りが引き立ちます」というリカバリー案
この対話によって、私は「失敗したかもしれない」というパニックに陥ることなく、落ち着いて次の工程へ進むことができました。

AIの助言で「不安」を「確信」に変える
その後も「まだ?」「いい感じかも」と写真を送り続け、ついにAIから「完璧に『店のソース』の状態です!」と太鼓判を押された瞬間、私は大きな達成感を味わいました。
AIの画像認識能力は非常に高いものがありますが、今回のように「見えているものが水分なのか油なのか」といった文脈の補足は、人間側が行う必要があります。自分の意図(油を多くしたこと)を言葉で添えながら写真を見せることで、AIはより精度の高い「師匠」になってくれるのです。

自分ひとりの判断では「なんとなく」で終わっていた工程が、AIとの対話によって「確信」へと変わり、本格的なカレーの土台が完成しました。
AI師匠と完成させた「手羽元のインド風カレー」再現レシピ
ここでは、ChatGPTのアドバイスを元に完成させた具体的な材料と手順をまとめています。
材料(基本)
- 手羽元 6〜8本
- 玉ねぎ 1個(みじん)
- にんにく・しょうが 各1〜2片(すりおろし)
- 濃厚トマトジュース 400〜600ml
- 油 大さじ3〜4
- 塩(最後に調整)
スパイス(基本)
- クミンシード 小さじ1(粉でも可)
- コリアンダー 小さじ2
- クミン粉 小さじ1
- ターメリック 小さじ1/2
- チリ 少々(任意)
- ガラムマサラ 小さじ1(仕上げ)
野菜(入れたい分だけ)
- にんじん 1本/じゃがいも 2個/大根 8〜12cm
- きのこ1袋/なす1本/オクラ適量
下ごしらえ(薄まり対策・できれば)
- きのこ:強火で乾煎り→焼き色
- なす:水分拭く→焼き色
- 大根:レンジ3〜5分→出た水は捨てる(できれば焼く)
作り方(5ステップ)
- 香り出し:油+クミンシードを中火、香りが立ったら玉ねぎ。中火〜中弱火で炒める。
目安:薄いきつね色+茶色い点が出るまで。 - 香味→粉→トマト:にんにく・しょうが30秒→粉スパイス20秒→トマトジュース。中火で5〜10分煮詰める。
目安:色が濃く、鍋肌に跡が残る/縁に油がにじむ。 - 手羽元:入れて絡め2〜3分→フタ→弱火20分(途中で上下返す)。
- 野菜:大根+にんじん→(串が通り始めたら)じゃがいも→最後10分で焼いたきのこ・なす・オクラ。
- 仕上げ:塩で決め、弱火でガラムマサラ。酸味が立つ時はバター小さじ1 or 砂糖ひとつまみ。ヨーグルトは極弱火で少しずつ(任意)。

素材を活かしきる!遠別町の濃厚トマトジュースで作った即席ミートソース
今回の料理体験を語る上で欠かせないのが、北海道・遠別(えんべつ)町で作られている、非常に濃厚なトマトジュースの存在です。「人生で一番美味しい」と感じるほど、どろりとして旨味が詰まったこのジュースは、ただ飲むだけではもったいないと感じるほどでした。
成功の隠し味は「地域限定の濃厚トマトジュース」
当初はカレーの水分として活用していましたが、AI師匠との対話の中で、このジュースのポテンシャルをさらに引き出すアイデアが生まれました。それは、余ったジュースを使って万能な「基本のトマトソース」を作っておくという提案です。
AIは、素材の具体的な特徴(今回は「非常に濃厚でどろっとしている」こと)を伝えると、それに合わせた最適な火加減や煮詰めのサインを教えてくれます。
「まだ煮詰めるべき?」という私の問いに対し、ChatGPTは「ヘラで混ぜたとき、鍋底が見える道ができて、すぐには埋まらない状態」という、視覚的にわかりやすい「終わりの目安」を提示してくれました。このように、自分の感覚だけでなく、客観的な基準を「師匠」に確認できるのは、失敗を防ぐ大きなポイントになります。

余り物の「和風ひき肉」を洋風に転生させるアイデア
さらに、冷蔵庫にあった「醤油(しょうゆ)・みりん・お酒」で味付けした豚ひき肉を、どうにか洋風のメニューに活かせないかと相談しました。普段はビビンバや麻婆豆腐に使っている、完全に「和」の素材です。
「和風の味付けだけど、トマトソースと合わせても大丈夫?」という私の不安に対し、AI師匠は理論的な裏付けを持って背中を押してくれました。
- 「醤油の旨味(グルタミン酸)とトマトの旨味は非常に相性が良い」
- 「それは『和風ミートソース(ボロネーゼの親戚)』として成立します」
自分一人では躊躇(ちゅうちょ)してしまうような組み合わせも、AIが味の構成を解説してくれることで、自信を持って「実験」に踏み出すことができました。結果として、和のコクとトマトの酸味が絶妙に調和した、驚くほど美味しい即席ミートソースが完成したのです。
このように、家にある「あり合わせの素材」をどう組み合わせるかという、いわゆる「冷蔵庫の整理」こそ、AIとの対話が最も輝く瞬間かもしれません。
AIを料理の師匠として120%活用する3つのコツ
AIとの対話を通して料理を成功させるためには、単に質問を投げかけるだけでなく、AIが状況を正しく判断できるように「情報の精度」を高めることが大切です。今回の水なしカレー作りを通じて見えてきた、実践的な3つのポイントをご紹介します。応用すると、余り物の転生レシピづくりにも効きます。
コツ1:工程ごとに「写真」を送って視覚情報を共有する
AIを「師匠」にするための最大の方法は、AIに「目」を持たせることです。レシピの文字情報だけでは伝わりにくい「色味」や「質感」を、写真でリアルタイムに共有しましょう。
例えば、今回の玉ねぎの炒め工程です。言葉で「きつね色になりました」と伝えても、人によって「きつね色」の定義は異なります。しかし、調理中の写真を1枚送るだけで、AIは「今はまだ『煮え』の状態なので、火を強めて水分を飛ばしましょう」といった、より現場に即した具体的なアドバイスをくれるようになります。写真を添えると、色味や質感の相談がしやすくなります。
コツ2:自分の「調理環境」と「こだわり素材」を具体的に伝える
料理の環境は、家庭によって千差万別です。使っている道具や、手元にある材料の情報をAIに詳しく伝えると、回答のパーソナライズ(個別最適化)が進みます。
- 道具の情報: 「ストウブのような密閉性の高い鍋を使っている」と伝えれば、AIは「水分が逃げにくいので、水は少なめで大丈夫です」といった判断をしてくれます。
- 素材のこだわり: 「遠別町の非常に濃厚なトマトジュースがある」「醤油(しょうゆ)漬けのひき肉を使い切りたい」など、特定の素材について言及してみてください。AIはその素材のポテンシャルを最大限に引き出すための、意外な組み合わせを提案してくれます。
コツ3:あらかじめ「リカバリー案(回復策)」を聞いておく
料理に失敗はつきものですが、AIはその不安を解消する「保険」にもなってくれます。あらかじめ、つまずきそうなポイントについて「もしこうなったら、どうすればいい?」と聞いておくのがスマートな活用術です。
今回の体験でも、油が多くなりすぎた際に「一度取り出して後で再利用する」という具体的なリカバリー案を提示してくれたことで、落ち着いて調理を続けることができました。「酸味が強くなりすぎた時」や「とろみが足りない時」の調整法を先に知っておけば、パニックにならずに済みます。何かあった時にすぐに相談できる「聞き相手」がキッチンにいることは、新しい料理に挑戦する際の大きな安心感に繋がります。
「レシピ通り」の先へ!AIとの対話がもたらす創造性と料理の楽しさ
私がAIをキッチンに招き入れて一番良かったと感じているのは、単に「正解のレシピ」を知ることではありません。AIとの会話を通じて自分の脳が刺激され、新しいアイデアが次々と湧いてくるプロセスそのものです。
画像から広がるインスピレーション
私がよくやる活用法の一つに、適当に作ったサラダの写真をアップして「これに合うドレッシングを考えて」と相談する方法があります。
AIは画像から素材の組み合わせを読み取り、意外な配合を提案してくれます。さらに面白いのはそこからです。AIの提案を見て、「これにあのスパイスを足したらもっと美味しいかも!」と、自分なりのアレンジがひらめく瞬間があります。
AIは「創造性」のブースター(加速器)
「レシピ通りに作るだけ」の料理は、時に義務のように感じてしまうことがあります。しかしAIと対話しながら、「この素材をどう活かすか」を一緒に考える時間は、まるでクリエイティブな実験をしているようなワクワク感があります。
単なる「食いしん坊」なだけかもしれませんが(笑)、AIが私の想像力を広げるブースターになってくれたおかげで、毎日の料理が心から楽しくなりました。今のAIは、私たちの「知りたい」に応えるだけでなく、私たちの「作りたい」という意欲を後押ししてくれる、最高のパートナーだと言えます。
よくある質問(FAQ):AI料理相談のギモ
AIをキッチンに迎えるにあたって、初心者の方が抱きやすい疑問をまとめました。
- 無料版のAIでも写真での相談はできますか?
-
無料でも画像相談はできる場合がありますが、回数や混雑で制限が出ることがあります。頻繁に使うなら上位プランの検討が安心です。
- AIの言う通りに作れば、必ず美味しくなりますか?
-
AIは非常に有力なヒントをくれますが、火加減や塩加減の最終的な判断は人間が行う必要があります。あくまで「頼れる助言者」として活用し、最後は自分の舌で味を整えるのが成功のコツです。
- 写真が暗くてAIが判別できない時は?
-
鍋の中は影になりやすいため、照明を明るくしたりフラッシュを使ったりして、できるだけ本来の色味が伝わるように撮影してみてください。
まとめ:AIとの対話で、料理はもっと自由で楽しくなる
AIを「料理の師匠」として迎えたことで、私の台所体験は「検索して作る」から「対話して創る」へと進化しました。
- 写真でその都度相談: 玉ねぎの色味や煮詰め具合の判断材料を増やす
- 素材のポテンシャルを引き出す: 濃厚トマトジュースや余り物のひき肉を、別メニューに転生させる
- 創造性を刺激する: AIとの会話がインスピレーションを生み、料理が「実験」に変わる
AIは驚くほどの知識を持っていますが、最後に味を決めるのはあなた自身です。ぜひ、AIという心強いパートナーを味方につけて、自由で創造的な料理を楽しんでみてください。
迷ったらこれ:料理名を入れて写真1枚→次の一手を聞くAIプロンプト(コピペ用)
【AIキッチン:写真相談テンプレ(共通/コピペ用)】
あなたは料理コーチです。これから写真を送ります。
返答は前置きなし(了解・挨拶・繰り返し説明は禁止)。
写真が届くまでは「写真を送ってください」の1行だけ返してください(推測で助言しない)。
【入力(ここだけ埋める)】
料理名:________
【ルール】
料理名は上の入力をそのまま採用(勝手に別名を付けない)。
工程・困りごとは写真から推定してよいが、断定せず「〜に見える/〜かもしれない」で。
次の見出しは表記を変えず、この順で書く。見立て:は1回だけ書く。
【出力(この順で/ここで終わり)】
見立て: (2行まで)
目標: (1行)
火力: (弱火/中弱火/中火/中強火/強火)
時間: (まず1〜3分→再判定。長くても5分以内)
混ぜ方: (動作+頻度)
追加写真: (迷う場合だけ1つ。不要ならこの行ごと書かない)
※上記の後に質問・提案・励ましを書かない。
→次のメッセージで写真を送ります。
⚠️※AIの助言は、写真の撮り方や火加減で変わる場合があります。迷ったら火を弱め、鍋底と香りを確認して1〜3分後に再判定してください。火傷に注意し、衛生管理はご自身で確認のうえ進めてください。
※本記事は執筆時点で確認できた情報に基づいています。画面表示(UI)や利用条件は変更される場合があります。最新情報は各公式サイト・利用規約をご確認ください。
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