GeminiのStorybook体験|猫の一日と信長スマホ編をレビュー

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Geminiで絵本Storybook体験談

AIが物語を自動で作ってくれる——そんな未来的な体験が、ついに誰でも試せるようになりました。Googleが提供する生成AI「Gemini」に、試用版として登場したのが「Storybook」です。

名前のとおり、入力したテーマやキャラクターをもとに、AIがオリジナルの物語を作り、ページめくり形式の「絵本」に仕立ててくれる機能です。しかも文章だけではなく、挿絵も自動生成され、さらに読み上げ機能まで備わっているため、「目で読む」「耳で聞く」両方の楽しみ方ができます。

実際に触ってみると、このStorybookは単なる文章生成とはまったく違う体験を与えてくれます。テーマをひとつ投げかけると、子ども向けの絵本にも、大人向けのユーモラスな物語にも変化し、読者の想像力を広げてくれるのです。

今回は、このStorybookを2つの題材で試してみました。
1つは、7歳の子どもでも楽しめる「猫の一日」を描いたかわいい絵本。
もう1つは、「もし織田信長が現代に生まれ、スマホを手にしたら?」という歴史をユーモラスにアレンジした物語。

まったく異なる2つのテーマで生成されたStorybookを読み比べると、この機能の面白さや可能性がよりはっきり見えてきます。本記事ではその体験をレビュー形式で紹介しながら、「Geminiで物語をつくるとはどういうことなのか」をお伝えします。

目次

第1章:Geminiとは?どうやって始める?

まずは簡単に「Gemini」について触れておきましょう。GeminiはGoogleが提供している生成AIサービスで、ChatGPTと同じように、質問を入力すると文章やアイデアを返してくれます。文章生成はもちろん、画像の生成、翻訳、プログラムコードの提案など、幅広い機能を備えているのが特徴です。

利用を始めるのに特別な準備は必要ありません。Googleアカウントさえあれば、公式サイトにアクセスするだけで無料で利用できます。

  • PCならブラウザ(Chromeなど)で「Gemini」と検索し、公式ページにログイン。
  • スマートフォンやタブレットなら、Geminiアプリをインストールすればすぐに試せます。

今回紹介するStorybookも、このGeminiの中に含まれる試用版機能のひとつです。アクセスしてテーマを入力するだけで、誰でも同じように絵本を生成できます。

なお、より高度な機能や利用制限の緩和を求める場合は有料プランもありますが、まずは無料版で十分に体験可能です。本記事のレビューもすべて無料で行いました。

第2章:Gemとは何か?

Geminiの中には「Gem(ジェム)」と呼ばれる仕組みがあります。これは一言でいえば、自分好みにカスタマイズしたAIアシスタントです。

イメージしやすい例を挙げると、ChatGPTにある「カスタムGPT」に近い存在です。たとえば「旅行プランを立ててくれるGem」や「レシピを提案してくれるGem」といった具合に、用途に合わせて性格や役割を設定し、専用のAIを作れるのです。

Gemは自分だけで使うこともできますし、リンクを発行して他の人と共有することもできます。共有されたGemを使えば、まるで誰かが育てた特別なAIをそのまま借りてきたような体験ができます。

今回紹介するStorybookは、Gemと同じ仕組みを土台にした試用版機能のひとつです。Gemを自分で作らなくても、テーマを入力するだけで誰でも利用できます。ユーザーが「猫の一日」「織田信長がスマホを持ったら」といったテーマを入力すると、Geminiが自動で物語を組み立て、ページ形式の絵本にしてくれるわけです。

つまり、Gemを使えば「特定の役割を持ったAIを作れる」。そしてStorybookは「そのAIが絵本を作る」専用機能、と考えると分かりやすいでしょう。

第3章:子ども向けStorybook「ふわりのいちにち」

最初に試した題材は、猫の一日
Storybookが生み出してくれた作品のタイトルは「ふわりのいちにち」でした。

<プロンプト>7歳の子どもが読んで楽しめるように、猫の一日(朝の日向ぼっこから夜眠るまで)を描いたstorybookを作成してください。イラストはかわいい絵本風でお願いします。

Storybookの画面
Storybookの画面

物語の流れ

  • 朝、陽ざしで目を覚まし、大きなあくび
  • ごはんのカリカリに大喜び
  • ひなたぼっこでごろりとお腹を出す
  • 窓ごしに舞うちょうちょを見つけて、前足でちょいちょい
  • 毛糸玉を追いかけて遊び疲れ、お昼寝
  • 夕方は鳥のさえずりに耳をすまし、外をながめる
  • 夜ごはんを食べたあとは、大好きな人のおひざでゴロゴロ
  • やさしくなでられ、ベッドでぐっすり眠る

読んで感じたこと

  • 子どもの寝る前にちょうどいいやさしい文章
  • 読み上げ機能で「読む+聞く」の両方を楽しめる
  • 猫好きにはたまらない癒しのシーンが続く

👉 実際の作品はこちらから体験できます(Google公式の共有リンク):
ふわりのいちにち(Gemini Storybook)

補足:最初に生成された画面では、作品タイトルの上に「作成者:○○」と自分の名前が表示されていました。非表示にできないか相談したところ、すぐに名前が出ないバージョンの共有リンクを用意してもらえました。安心してブログに掲載できるのは大きなポイントです。

第4章:大人向けStorybook「信長、スマホで天下統一!?」

次に試したのは、大人向けのユーモラスな題材。タイトルはその名も 「信長、スマホで天下統一!?」

<プロンプト>「もし歴史上の人物が現代にいたら」というテーマで、ユーモラスなstorybookを作ってください。登場人物は織田信長。もし信長が現代に生まれ、スマホを持ったらどうなるかを描いてください。イラストはポップで漫画風にお願いします。

Storybookの画面
Storybookの画面

物語の流れ

  • 現代に生まれ変わった信長がスマホを発見
  • 力強く押して「壊れておるのか?」と首をかしげる
  • 若者アキラが登場し、スマホの操作をレクチャー
  • 地図アプリを見て「これで天下統一も楽勝!」と大興奮
  • SNSに「第六天魔王」と名乗って自撮りを投稿
    • ハッシュタグは「#戦国グルメ」「#兵糧補給」など独特
  • 戦略ゲームに熱中し「この城攻め、わしならばこうする!」と徹夜
  • 「これぞ現代の兵器よ!」とスマホを絶賛

読んで感じたこと

  • 鎧姿でスマホを操作するビジュアルが最高にユーモラス
  • 歴史ファンはもちろん、SNS映えするネタとしても楽しめる
  • 大人がクスッと笑える「読み物」としてぴったり

👉 実際の作品はこちらから読めます(Google公式の共有リンク):
信長、スマホで天下統一!?(Gemini Storybook)

第5章:実際に試して感じたこと

子ども向けの「ふわりのいちにち」と、大人向けの「信長、スマホで天下統一!?」。まったく違う題材でStorybookを試したことで、この機能の魅力や可能性が一層はっきり見えてきました。

まず驚かされたのは、テーマによる振れ幅の大きさです。ふわりの物語は、子どもの寝る前にぴったりなやさしい文章と、絵本風のかわいい挿絵で構成されていました。一方で信長編は、現代と戦国を掛け合わせたユーモラスな物語で、大人がSNSでシェアしたくなるような軽快さを持っています。同じStorybookでも、与えるテーマによって作品の性格が180度変わるのは大きな魅力だと感じました。

次に印象的だったのは、読み上げ機能です。ふわり編を朗読で聴くと、本当に子どもへの読み聞かせそのもの。目を閉じても物語の情景が浮かび上がってきます。音声が加わることで「読む」だけではなく「聞く」体験が可能になり、紙の絵本とはまた違う楽しみ方が広がりました。

さらに、共有リンクの便利さも見逃せません。生成したStorybookはURLひとつで誰とでもシェアでき、受け取った人は同じようにページをめくったり朗読を楽しんだりできます。これは従来の生成AIの「テキストをコピーして共有」とは一線を画す、視覚的・体験的なシェアの仕組みだと思いました。

ただし、実際に使ってみて気づいた細かな点もあります。最初に表示される画面では、作品タイトルの上に「作成者:○○」と自分の名前が出ていました。ブログで紹介するにあたり気になったので非表示にできないか確認したところ、すぐに名前が出ないバージョンの共有リンクを提供してもらえました。匿名で公開したい人にとっては、この点をあらかじめ知っておくと安心です。

総じて言えるのは、Storybookは単に「AIが物語を作る」という機能にとどまらず、読む・聞く・共有するという三層の体験を提供してくれる新しいコンテンツ形式だということです。子どもと一緒に楽しむ絵本としても、大人の遊び心をくすぐる読み物としても、十分に可能性を感じられました。

第6章:Storybookを使うときの注意点

実際に使ってみると楽しいStorybookですが、利用にあたってはいくつか注意しておきたい点もあります。事前に知っておけば「こんなはずじゃなかった」と戸惑うことも少なくなるでしょう。

1. 生成後の編集はできない

Storybookで作られた物語やイラストは、ユーザーが直接編集することはできません。改善したい場合は、最初の要望(プロンプト)を調整して、もう一度最初から生成し直す必要があります。

2. 作成者名の表示に注意

初期の画面では、作品タイトルの上に「作成者:○○」と自分の名前が表示されます。私の場合は非表示にしてほしいとお願いしたところ、すぐに作成者名を出さないバージョンの共有リンクを作ってもらえました。ただし、基本的には名前が表示される点を頭に入れておくと安心です。

3. 商用利用は不可

生成したStorybookを印刷して販売したり、広告素材に利用したりすることは規約上できません。利用はあくまで「個人で楽しむ」「教育の場で活用する」「体験をブログやSNSで紹介する」といった範囲にとどめる必要があります。

4. 無料版には利用制限がある

Geminiの無料版には、一日に使えるリクエスト数や連続利用時間に制限があります。複数作りたい場合や、授業でまとめて試したい場合には、余裕を持ってスケジュールを立てると安心です。

第7章:これからの活用可能性

Storybookを試してみて強く感じたのは、この機能が単なる遊びや一時的なブームにとどまらず、教育・エンタメ・創作の分野に広く応用できる可能性があるということです。

教育の現場で

  • 読み聞かせ教材として
  • 語彙力や読解力を育てるための補助教材として
  • 「もし〇〇だったら?」という問いかけを通じて、子どもたちの想像力を刺激する道具として

特に読み上げ機能は、家庭での親子の時間だけでなく、教室での学習補助にも役立つと感じました。

エンタメとして

  • 歴史人物や有名キャラクターを現代に置き換えたユーモラスな物語
  • SNSでシェアしたくなる一発ネタ的な作品
  • オリジナルの短編ストーリーを仲間内で楽しむ遊び方

今回の「信長がスマホを持ったら」はまさにその好例で、大人も楽しめる“ネタ系”のコンテンツが作れる点に大きな可能性があります。

創作・表現活動の補助に

  • 作家やライターがアイデア出しのために使う
  • イラストレーターが物語のイメージを膨らませる参考にする
  • 同人誌や二次創作のアイデアスケッチ的に活用する

生成された物語をそのまま作品化することは規約上できませんが、「創作のたたき台」として活用するのは大いにアリです。

<注意書き>

本記事で紹介しているStorybookは、Google Geminiの試用版機能で生成したものです。この記事はあくまで体験レビューを目的としており、生成した作品そのものを販売・配布するものではありません。Geminiで生成したコンテンツを商用利用する場合には、Googleの利用規約に従い、別途許可が必要となります。

まとめ

  • StorybookはGeminiの試用版機能で、物語+挿絵+読み上げまで自動生成してくれる
  • 子ども向け「ふわりのいちにち」では優しい絵本体験を、大人向け「信長スマホ編」ではユーモラスな物語を楽しめた
  • 読む・聞く・共有する三層の体験が特徴
  • 注意点:編集できない/作成者名が表示される/商用利用は不可/無料版は利用制限あり

GeminiのStorybookを実際に試してみて感じたのは、AIが作るのは単なる物語ではなく、「読む・聞く・共有する」という体験そのものだということです。

子ども向けの「ふわりのいちにち」では、絵本らしい優しい文章と挿絵、そして読み上げ機能が組み合わさり、親子で楽しめる新しい読み聞かせの形を体験できました。一方で「信長、スマホで天下統一!?」は、大人が思わず笑ってしまうようなユーモアがあり、SNSでシェアしたくなるエンタメ作品に仕上がっていました。

利用にあたってはいくつか注意点もあります。生成後に編集できないこと、作成者名の表示、商用利用の制限などです。しかし、それらを踏まえれば、教育にも遊びにも活用できる可能性を秘めています。

今回は試用版としての体験レビューでしたが、今後のアップデートで機能が拡張されれば、さらに幅広い分野で使われるようになるでしょう。AIがつくる物語を「読む」だけでなく「一緒に体験する」時代が、すでに始まっているのかもしれません。

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