【AIと文章】自分の文章をChatGPTに読ませたらクセが見えてきた

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【AIと文章】自分のクセが見えてくる

自分の文章のクセって、自分ではなかなか分からないものです。

私は長い間、文章を書く仕事をしてきました。新聞記者として記事を書いて、今も取材したものを文章にしたり、人の文章を編集したりしています。

だから、自分の文章については、それなりに分かっているつもりでした。

「こういう文章が好き」

「こういう書き方はしたくない」

という感覚もあります。

でも、「あなたの文章には、どんな特徴がありますか?」と聞かれたら、意外とうまく答えられません。

そんなことを、AIとの文章作りを通して考えるようになりました。

目次

「私の原稿のタッチはこんな感じ」

私はAIに文章を作ってもらうとき、過去に自分で書いた新聞記事を見せることがあります。

「私の原稿のタッチはこんな感じだから、この感じを意識して文章を作ってください」

という伝え方です。

あるとき、文章を比べていたら、ChatGPTからこんなことを言われました。

「私はこちらの方が、あなたの新聞記事のタッチに近いと感じます」

そこで、ふと思ったんです。

「私の新聞記事のタッチって?」

それまで、自分からそんなことを考えたことはありませんでした。

ただ、自分の文章に近い感じで書いてほしかっただけです。

でも、せっかくなので聞いてみました。

すると、ChatGPTは私の文章について、思っていたより細かく説明してきました。

AIが教えてくれた「私の文章の型」

AIが挙げたのは、単に「短い文章が多い」「リズム感がある」というだけではありませんでした。

たとえば、

読者がその場面を目の前で見ているような感覚に引き込む。

書き出しでは、具体的な事実や一場面を提示する。

そこから、「だから、この出来事を知る意味がある」という方向へ文章を進める。

「すごい」「大きな」「非常に」といった修飾語を盛りすぎない。

体言止めを多用せず、同じ言葉を続けない。言い換えながら文章を動かす。

過去の出来事だからといって、すべてを過去形にするのではなく、現在形や別の語尾を混ぜて時間の流れを作る。

そうすることで、過去の出来事を「いま目の前で起きていること」のように読ませる。

最後は説明で終わらず、読者の視線を次の場面へ持っていく。

そんなふうに説明されました。

言われてみれば、

「ああ、確かにそうだな」

と思います。

でも、自分ではそこまで整理したことがありませんでした。

「作文みたいだ」と感じる理由

AIとの文章作りを続けていると、自分がどこに違和感を持つのかも、少しずつ分かってきます。

たとえば、AIが、

「〜だった。〜だった。〜だった」

と過去形が続く文章を書いてくることがあります。

私はそれを読むと、

「これでは作文みたいだ」

と感じます。

そこで、

「過去形ばかりにせず、現在形も混ぜて、その場にいるような感じにして」

と伝える。

「すごい」「大きな」「非常に」といった言葉が並んでいるときも、私は気になります。

「そういう抽象的な言葉で説明するんじゃなくて、その場面が見えるような生き生きとした文章を書きたい」

と伝える。

そういう注文は、これまでAIと文章を作る中で、何度もしてきました。

でも、最初から、

「私は現在形をこういう目的で使っています」

「こういう言葉は使わず、場面が見えるように書きます」

などと、自分の中で整理していたわけではありません。

AIが文章を出す。

読む。

「なんか違う」と感じる。

なぜ違うのかを考える。

そして、次の注文をする。

その繰り返しです。

考えてみると、そこに長年文章を書いてきた中で身につけた、自分なりの基準があったんですね。

AIに言われて初めて、それが少し見えてきました。自分の文章は自分が一番分かっていない?

考えてみれば、当たり前なのかもしれません。

自分の文章は、自分が書いているからです。

「こういう文章にしよう」と考えて書くことはあっても、実際にどんな特徴があるのかを、一歩離れて見る機会はあまりありません。

たとえば、自分では普通に使っている言葉がある。

よく使う言い回しがある。

文章の始め方にもパターンがあるかもしれない。

短い文章を続ける人もいれば、長い文章で説明する人もいる。

結論を先に書く人もいれば、具体的な話から入る人もいる。

書いている本人にとっては、それが「いつもの書き方」なので、わざわざ分析しません。

でも、少し離れて眺めてみると、意外と特徴が見えてくる。

今回の私の場合、それを見せてくれたのがAIでした。

自分では気づかなかった「好き」が見えてくる

文章のクセを知ることには、もう一つ面白いところがあります。

自分がどんな文章を好きなのかが、見えてくることです。

たとえば、

「短い文章が多い」

「具体的な話から入ることが多い」

「話し言葉に近い表現が多い」

といった特徴が分かったとします。

すると、

「そういえば、自分はこういう文章が好きなんだな」

と気づくことがあります。

文章の書き方は、単なる技術だけではありません。

どんな言葉を使いたいのか。

どれくらい説明したいのか。

読者にどんなテンポで読んでほしいのか。

そういうものが、文章の中に自然と出ています。

私の場合も、AIとのやり取りを振り返ってみると、「読者にその場面を見せたい」という気持ちが、いろいろなところに出ていたのだと思います。

文章の型を知ることは、自分の文章術を知るだけではなく、自分が文章で何を大切にしているのかを知ることにもつながるのかもしれません。

「自分らしい文章」って何だろう

こういうことを考えていると、「自分らしい文章って何だろう」とも思います。

文章のクセを全部なくして、きれいな文章にすればいいわけではありません。

むしろ、クセの中にその人らしさがあることもあります。

よく使う言葉。

文章のリズム。

話の進め方。

具体例の入れ方。

どこで少し脱線するか(笑)。

そういうものが重なって、「この人の文章だな」という感じになる。

だから、AIに自分の文章を分析してもらったからといって、

「じゃあ、指摘されたところを全部直そう」

とは思いません。

自分の特徴を知ったうえで、

「これは残したい」

「これは少し直したい」

と自分で決めればいい。

文章のクセは、悪いものとは限りません。

AIは「文章の鏡」になる

今回の経験をして、AIは文章の「鏡」のようなものにもなるのかなと思いました。

鏡を見れば、自分では直接見えないところが見えます。

髪が跳ねているとか、服に何か付いているとか、そういうことに気づける。

文章も似ています。

自分で書いているときには気づかなかった特徴を、少し離れたところから見せてもらう。

もちろん、鏡に映ったものをどうするかは自分で決めます。

AIが「ここを直した方がいい」と言ったからといって、必ず直す必要はありません。

「それが自分らしさだから残す」という選択もある。

逆に、

「確かに、このクセは直した方が読みやすいな」

と思えば直せばいい。

AIに判断してもらうのではなく、AIに見せてもらって、自分で判断する。

この距離感がちょうどいいと思っています。

AIに文章を書かせるために、自分の文章を見直す

ここで、ちょっと不思議なことが起きます。

AIに自分の文章を書かせようと思っただけなのに、自分の文章を読み返すことになるんです。

「この文章の特徴は何だろう」

と思って読む。

「この言葉はよく使っているな」と気づく。

「ここは自分らしい」

「これは今読むとちょっと違うな」

と思う。

つまり、AIに文章を書かせるために過去の文章を見せたことがきっかけで、自分自身が自分の文章を編集者のような目で読むことになる

これは、最初から自分の文章を分析しようと思っていたら、もしかしたら気づかなかったことかもしれません。

AIに「この文章を分析してください」と頼んだわけではない。

「この感じで書いてください」と渡した。

その結果、AIが文章の特徴を言葉にして返してきた。

その返事を読んで、自分がまた自分の文章を考える。

そんな思いがけない往復が起きました。

書くためだけにAIを使わなくてもいい

AIというと、「文章を書いてもらう」「仕事を効率化する」という使い方がまず思い浮かびます。

もちろん、それは便利です。

でも、文章を書いている人なら、一度自分の過去記事をAIに読ませてみるのも面白いと思います。

「この文章の特徴を教えて」

くらいの軽い頼み方でもいい。

返ってきた答えを読んで、

「なるほど」

と思うかもしれないし、

「いや、そこは違う」

と思うかもしれない。

どちらでもいいんです。

そこからまたAIに聞いてみればいい。

「どうしてそう思ったの?」

「具体的にどの文章からそう判断したの?」

「じゃあ、この特徴を残したまま、もう少し読みやすくするには?」

そんなふうに話していくと、今まであまり考えたことのなかった「自分の文章」について考えるきっかけになります。

AIに文章を書いてもらう。

AIに文章を直してもらう。

それだけではなく、自分の文章について考える相手としてAIを使ってみる。

これも、なかなか面白い使い方です。

私自身、AIを使い始めたころは、まさかこんなふうに自分の文章を見直すことになるとは思っていませんでした。

最初は「AIに文章を書いてもらえば楽になる」と思っていただけです。

それが、AIが出した文章を読むようになり、表現を比べるようになり、「なんか違う」と感じる理由を考えるようになった。

そして、過去に自分が書いた文章をAIに見せてみたら、今度は逆に、自分がどう文章を書く人なのかを教えてもらった。

文章を書くためにAIを使い始めたのに、いつの間にか、自分の文章を外から見るための道具にもなっていた。

AIとの文章作りには、こういう予想外の面白さもあるようです。

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