AIに文章を書いてもらう。
最初は、それだけで十分だと思っていました。
でも、AIと一緒に文章を作るようになると、だんだん細かいことが気になってきます。
「ここは違う」
「この言葉は好き」
「もう少し短く」
「ここは残したい」
「なんか固い」
そんなふうに、AIに注文をつけることが増えていきました。
困るのは、「なんか違う」と思ったときです。
何が違うのか、自分でもすぐには説明できない。
それでも、読んでみると分かる。
「いや、これじゃない」
そんなことがあります。
「なんか違う」は意外と大事
以前、野球の記事を書いていたときのことです。
AIに書き出しを考えてもらっていました。
最初の案を読んで、
「なんか違う」
と思いました。
文章としておかしいわけではありません。
情報も入っている。
言っていることも間違っていない。
でも、読んでいてワクワクしない。
私は、読んだ人の頭の中に試合の情景が浮かんで、これから始まる試合を楽しみにしてもらえるような文章にしたかった。
でも、AIの案は、どうも説明っぽい。
そこで、
「やっぱり説明チックだな」
「読んでいる人がワクワクする感じにしたい」
「情景が目に浮かぶような、リズム感のある文章にしたい」
と伝えました。
すると、AIはまた別の案を出してきます。
でも、それを読んで、
「やっぱり違う」
となる。
また伝える。
また案が出てくる。
そうやってやり取りしているうちに、自分が求めている文章が少しずつ見えてきました。
最後には、
「未来を懸けた9イニングが始まる。」
という書き出しにたどり着きました。
最初から、これを書こうと思っていたわけではありません。
AIの案を読んで、
「これは違う」
「こういう感じでもない」
と考えているうちに、自分が何を求めているのかが分かってきたのです。
AIにうまく指示できないからダメ、ではない
AIを使い始めたころは、
「もっと上手に指示できれば、一発で思った文章が出てくるのでは?」
と思っていました。
いわゆるプロンプトを工夫する。
条件を細かく書く。
そうすれば、最初から自分の思った文章が出てくる。
そんなイメージです。
でも、実際に使っていると、そう単純ではありません。
そもそも、自分がどんな文章を求めているのか、最初から全部分かっているわけではないからです。
「ワクワクする文章にしたい」
と思っていても、自分にとっての「ワクワクする文章」がどんなものなのか、言葉にするのは難しい。
だから、AIに案を出してもらう。
それを読む。
「これは違う」と思う。
なぜ違うのか考える。
そして、もう一度伝える。
その繰り返しで、自分の中にある基準が少しずつ見えてくる。
私は、AIとの文章作りをするようになって、ここが面白いと思うようになりました。
「なんか違う」を言葉にしていく
もちろん、「なんか違う」だけを繰り返していても、文章はなかなか完成しません。
そこで、
「説明っぽい」
「もっと情景が浮かぶように」
「この言葉は少し大げさ」
「ここはもっとシンプルに」
というように、少しずつ言葉を足していきます。
最初から正確に説明できなくてもいい。
AIの案を見てから、
「そうじゃない」
「こっちの方が近い」
と考えていけばいい。
これは、人間同士で文章を見てもらうときとも少し似ています。
誰かに原稿を読んでもらって、
「ここ、なんか違うんだよね」
と言う。
相手から、
「じゃあ、こういうこと?」
と返される。
「いや、そこじゃない」
「じゃあ、こっち?」
「そう、それ!」
となる。
AIとのやり取りにも、そんなところがあります。
「違う」と言うことで、自分が分かってくる
面白いのは、AIに何度も「違う」と言っていると、自分の好みまで見えてくることです。
私は、野球の記事なら、情報をきちんと説明するだけではなく、読者の頭にその場面が浮かぶ文章にしたい。
言葉をたくさん足すより、短い言葉を置いて、リズムよく読ませたい。
説明しすぎると、かえって文章の勢いがなくなる。
そういうことを、AIとのやり取りを通して、あらためて確認することができました。
つまり、「なんか違う」というのは、単なる不満ではありません。
自分が文章のどこを大事にしているのかを教えてくれる反応でもある。
AIの文章を読むことで、自分の文章を見る目が少しずつはっきりしてくるのです。
正解を一発でもらう必要はない
AIを使うとき、
「正しい指示を出して、正しい答えを一回でもらう」
という使い方を考えがちです。
でも、文章については、それだけが使い方ではないと思っています。
AIが案を出す。
自分が読む。
「違う」と思う。
その理由を考える。
また伝える。
AIが直す。
また読む。
この繰り返しそのものが、文章を作る作業になる。
だから私は最近、「うまく指示しなきゃ」と考えすぎなくなりました。
もちろん、伝えたいことはできるだけ具体的に伝えます。
でも、最初から完璧な指示を作る必要はない。
AIの返してきた文章を見ながら、自分の考えを整理していけばいい。
そう考えると、AIとの文章作りが少し楽になります。
「なんか違う」は、AIへのダメ出しではない
AIが出してきた文章に、
「なんか違う」
と言う。
一見すると、AIが出した文章を直しているだけです。
でも、実際には、自分がどんな文章を書きたいのかを考えている。
「自分はこういう文章が嫌なんだ」
「ここはこうしたいんだ」
「このくらいの説明で十分なんだ」
AIの案を見ているうちに、そんなことが少しずつ分かってくる。
AIに文章を作ってもらうつもりだったのに、いつの間にか自分がどんな文章を書きたいのかを考えている。
これは、AIを使い始める前にはあまり考えていなかったことでした。
AIに文章を書かせる。
そして、その文章を読む。
違和感があれば、「なんか違う」と返す。
その理由を考える。
また書いてもらう。
そうやってやり取りしていると、少しずつ自分の文章になっていきます。
だから今は、AIの文章を読んで「なんか違う」と思ったときも、あまり困らなくなりました。
むしろ、
「あ、ここから考えればいいんだ」
と思うようになりました。
「なんか違う」は、文章を直すための言葉というより、自分が何を求めているのかを探すための入口なのかもしれません。
AIに完璧な指示を出せなくてもいい。
まず文章を出してもらう。
それを読んで、自分がどう感じたのかを伝える。
その繰り返しの中で、文章も、自分の考えも、少しずつ形になっていく。
私は最近、そんなふうにAIと文章を作っています。
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